Please do not touch my hips. Please do not break wind.

トイレ症候群
ウルトラマンや5人組の特撮ヒーローや仮面ライダーになりたいなんて
小さい頃の俺は、そんなことばかり言っていた。
でも、中学、高校とだんだんと大人に近づいていくと俺は、
いつの間にかそんな夢なんて忘れていたし、
俺なんかがそんなかっこいいヒーローにはなれないことはわかっていた。

俺には彼らほどの怪力なんてあるわけがないし、
体を巨大化させることができるわけでもなければ、
秘密組織に入団できるような特別な人間なわけでもない。

そんなこんなで俺は、いつの間にか大学も卒業し、
成人式を迎えてしまっていた。
なんだか嬉しいような、悲しいような・・・複雑な気持ちで大人になった。

大学を卒業してからは、コンビニでバイトをして過ごしていた。
ちゃんとした仕事に就きたいと思ったことはない。
コンビニの給料で充分やっていけていた。


俺はいつものように夜までのバイトを終わらせ、帰宅している途中だった。
その日は観たいテレビ番組があったので、俺は早足で家に向かっていた。

「ギュルギュルギュルッ・・・」
考えてみれば、これが全ての発端だったのかもしれない。
俺は急に腹を下してしまったのだった。
何も考えずに家に走った。ここから家までは10分程度・・間に合う・・
と、思ったのだが・・「ギュルギュルルルッ」もうだめだった。

待て・・とりあえず頭を落ち着かせろ・・
何も家のトイレだけがトイレじゃない、公園のトイレとか・・・
「あ、あった!」
俺はちょうど近くにあった公園に走り出した。
公園には大抵、トイレがついているものだ。間に合う・・

正直、トイレが無かったなんてヲチが来ると思っていたのだが、
どうやら神は俺に味方してくれたようだった。
俺はトイレに駆け込んでいった。

・・このときの俺は、ここのトイレに寄ったことが
あんな事態になることなど、知る由もなかった。

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